ルネリアの知らぬ男が、グレンの元へと駆け寄っていく。二人は瞬時に繋いだ手を離した。そのまま取り繕うようにしながらも、ルネリアが動揺を隠せないでいると、グレンが警戒した瞳を男に向けた。
「お前は、キャロラインの部下の……」
「はい! シアンです!」
キャロラインの用意した席に、キャロラインの部下。まさか奴はどこかで俺たちを見張っているなんてことはないだろうか。そう、グレンのキャロラインへの殺意が徐々に上がっていく。シアンはグレンの殺気立つ様子を感じ取り、焦り言い訳をするように手を横に振った。
「あの、お仕事についてお知らせに向かいました。そのキャロライン様のいつものいたずらですとかそういうことではなく、今回はちゃんとした伝達です」



