(……辺り一帯を燃やすか)
そんな不穏な選択さえ、グレンの中に芽生えていく。しかしボヤ騒ぎ一つでも起こしてしまえばオペラが台無しになってしまうし、そもそも観客の命だって危うい。グレンはこの状況の打開策を考え、平和的でありながら、グレンにとってはオペラホールを燃やすより難しい策を思いついた。
「グレン様?」
策を思いつき、ひたすらに自分の右手を睨み始めたグレンにルネリアが声をかける。
グレンの策を知らなければ、今のグレンの行動は誰から見ても怪奇的と言ってもいいものだ。しかしルネリアはグレンの手が痺れたのか、どこか体調が悪いのかと思い悩む。



