王都の最奥、街を見下ろすようにそびえ立つ王城の一室。部屋の灯りは燭台一つのみ、窓の外の夜が溶け込むようにして、部屋の中は薄暗く冷たい空気を纏っている。
窓辺には人影が立ち、じっとバルコニーを見つめていた。月が雲によってその姿を隠したと同時にバルコニーに新たな人影が現れる。
「ダリウス様」
バルコニーに佇む人影……フードを被った人物は、身体をすっぽりと覆い隠すようにマントに身を包んでいるというのに、華奢であることがそのラインから伺えた。その人物は、フードから亜麻色の髪を零しながら窓辺に立つ人影――ダリウスへ語り掛ける。



