城に訪れたとき、「お前は何をしに来たんだ。まだ死んでなかったのか。火葬なら今してやるぞ」と心底不機嫌そうな顔で迎え入れたのは、一体どこの誰だったのだろうかと、キャロラインはグレンを見る。グレンは咳ばらいをして、改めてキャロラインに向き直った。
「悪いなキャロライン。ありがとう」
「キャロライン様、ありがとうございます」
「ううん、気にしないで。チケット無駄になっちゃうところだったし、こっちこそありがとうだよ……本当にね」
キャロラインは、自身の言葉に短く付け足す。しかしルネリアとグレンは気付くことなくチケットを見て、観劇について想いを馳せている。キャロラインはそんな二人を見ながら、ただ静かに笑った。



