しかし俯いているルネリアにそんなグレンの視線は気付かない。グレンはどんどん目を開け、紅の瞳を囲うように、もはや白目を剥いているのではとキャロラインが感じるほど、ルネリアを見つめている。
それほど今のルネリアの発言は、グレンのルネリアに関することになると塵と化す思考力を破壊するには、十分な威力であった。
キャロラインは俯くルネリアと目を剥くようなグレンに向け、呆れながら大きく手を打ち鳴らす。するとある意味正気に戻った二人ははっとして互いを見合った。
「えっと、じゃあ行くか、オペラを見に、せっかくキャロラインが、ち、チケットをくれたわけだしな。こうしてわざわざ城に来てくれたわけだし。オペラホールを、新しく作る視察も必要だしな」
「はい」



