「なんだ小切手なら返すぞ」
「違うよ。もっといいものだよ」
キャロラインは「ほら」とその二枚の紙を机の上に並べた。それはメアロードの街のオペラ公演のチケットだった。
「オペラ? 何故これを?」
「貰ったんだけど、僕ただの劇とか歌は好きだけど、なんていうの、物語込みの歌は苦手でさあ。まどろっこしいっていうか。だから二人の逢引きに使ってもらおうと思って。夜の公演だから食事して、街の人間が皆してるようなデートしなよ。どうせ二人の今の雰囲気的に、子供とか老人とかのデートでしょ?」
キャロラインはにやにやと笑いながらチケットを指でつつき、ルネリアに笑いかける。



