【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「わたしは、別にいりません。それにお姉さまが王家や公爵家に多大なご迷惑をおかけしてしまったのは事実ですから」
「だからと言って、妹であるだけのお前が責任を負う必要はない。同調していたならともかく、お前は事故に遭ったようなものじゃないか。公爵家など、燃えてしまえばいいんだ」

 グレンは、ルネリアの分まで憤るように語気を荒げる。ルネリアはそれだけで、救われるような気持ちがした。

「……それに、私は、もう大切な今がありますから」

 ルネリアはグレンを見た。恥ずかしさはなく、ただ素直な気持ちで。グレンもそれに呼応するようにルネリアを見る。するとキャロラインが咳ばらいをした。

「ぼ、く、を、忘れないで!」

 訴えに、二人は揃えるようにしてキャロラインに気づきはっとして、彼に顔を向けた。キャロラインはわざとらしくため息を吐くと、懐から紙を二枚取り出す。