「でも、あっちは公爵家で、言っちゃえば今はルネリアちゃんは平民。公爵家も表立って謝罪は出来ないんだ。立場があるからね。だから手切れ金というか、お詫びというか、慰謝料として、ルネリアちゃんにお金が贈られることになったんだ。ようするに、これで今までのことはなしにしてっていうお金」
キャロラインは懐から小切手を取り出す。グレンはそれを素早く受け取り、そのままキャロラインへと突っ返した。
「ルネリアは自ら侍女の紹介所の門を叩いたが、運が悪ければ薄汚い男たちに身体を売るような仕事に就かされていたんだぞ。その前に攫われていた可能性だってあったんだ。公爵家が謝罪を出来ないという立場だということは分かっている。だからその分悔いろ。こんな金はいらない。その倍俺がルネリアに贈る。公爵家には死ねと伝えておけ」
怒りの籠った声でグレンは小切手を睨んだ。キャロラインは「いやでもこれルネリアちゃん宛てだし……」と言ってルネリアを見る。



