【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 ルネリアとグレン、二人が廃城へ向かって十日が経った。

 グレンがかつて出会った少年であると知ったルネリア、そして過去、出会ったことがあるとルネリアに伝えられたグレンであったが、そんな二人には問題が生じていた。

「……グレン様、紅茶です」
「そうか、すまない。ありがとう」

 客間にて、ルネリアはグレンにいつも通り紅茶を淹れた。しかしその頬は赤い。そしてその紅茶を、ソーサーを濡らすことを目的とするかのようにグレンは震え、零しながらカップを受け取る。ルネリアはグレンが紅茶を受け取ったのに安堵し視線をわずかに上げると、グレンの顔を見て頬を赤くさせ、すぐに俯いた。