【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 マリアは驚いた。王太子のような存在が、自分をかばってくれたことに。以降、王太子はマリアを見ると声をかけるようになった。マリアが平民上がりであるということで責められていると考えた王太子が、マリアが虐められるのを、自分から声をかけることで防ごうとしたからだ。そんな王太子にマリアは感謝し、やがて二人は会えば会話をし、徐々に会う約束をするようになった。

 そうして日々を過ごすうち、マリアは王太子に恋をしている自分に気づいた。一方の王太子には婚約者の公爵令嬢がいたものの、令嬢は自分に対して興味も見せず、ただ業務連絡をするばかり。王太子はだんだんと公爵令嬢とマリアを比べるようになり、婚約者とではなく、マリアとの未来を思い浮かべるようになった。

 しかし、二人の仲が深まるにつれ、互いの仲を邪魔するものがそれぞれ現れた。王太子には婚約者。マリアにはルネリアだ。マリアが王太子と逢引をして、それが噂になるとルネリアは「あの、殿下には、婚約者の方がおります。このままだと、王家と公爵家に離反するように見られてしまいます」と言ってきたのだ。