【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「でもね。きちんと神様は見ているのよ。お父さんと暮らしている女の人はね。病気なの。きっとマリアのお父さんに意地悪をしているから、その罰があたったのね。だからきっと邪魔者はいなくなって、私とマリアとお父さん、三人で仲良くお屋敷に住むことができるわ」

 その言葉を、マリアは信じていた。いつの日か父、母、自分の三人で暮らすことができると。そうして、母が喜びながら「お父さんと住めることになったわよ!」とマリアに報告したとき、マリアの心は歓喜に満ち溢れた。

 しかし、マリアが父の屋敷に向かうと、そこには異母妹、ルネリアがいたのだった。

 ルネリアは、さも当然のようにマリアの父を「お父様」と呼んだ。今まで自分だけの、マリアだけの父であった男は、別の娘の父でもあったのだ。マリアは自分だけの父であったはずなのにと、ルネリアを憎んだ。そして異物と見なし排除しようとした。それはマリアの母も同じで、マリアはこれが正しいのだと思った。