「……駄目だ、医者に診せよう。直ちに診せよう」
「えっ……あっ」
グレンはルネリアを急いで担ぐと、そのままの勢いで駆け出した。グレンに抱きしめられていることで、ルネリアの心臓は跳ねるような動きを始める。
「心臓の動きだって、こんなに速くなっているじゃないか!」
グレンはルネリアの変化に、どんどん焦り始める。そしてとうとう飛ぶようにしながら城の出口へと向かっていった。
当初廃城に入っていくときのグレンが嘘だったかのように、グレンは生き生きとしているように見え、ルネリアはグレンの顔が余計に見られなくなり、グレンに運ばれながら廃城から去っていった。
◆
「どうして、私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ……」



