【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「いいや、貴女は俺の中で、大きなことをしたんだ。吸血鬼だと知って、治りが早いところを実際に見たのに、こんなにすぐ治されて痛そうだと言う。幼子であるからというのもあったが……成長した貴女は、血濡れた俺を拭おうと向かってきた。そして、俺が吸血鬼だと知って、凄惨な事件が起きた城に同行するとまで言った。貴女は本当に、あのころから変わらない優しさと、そして強さを持っている。……辛い境遇であったのに、貴女は今も曲がらない、誰よりも……この世界の何よりもあなたは高貴で……そして美しい」
「グレン様……」

 グレンは、あどけなく笑う。その姿を見て、ルネリアは途方もなくグレンが恋しくなった。今目の前にいて、触れてさえいるのに、もっとと求めてしまうような、切ない焦燥にかられていく。なんだか急にグレンを見つめているのが恥ずかしくなって、頬に熱がこもり、ルネリアは視線をそらした。そんなルネリアの頬の紅潮を確認したグレンは、ルネリアとは対照的にその頬を青ざめさせる。

「どうした、ルネリア、顔が赤いぞ?」
「だっ、大丈夫です」
「大丈夫じゃないだろう、もっと赤くなったじゃないか!」

 ルネリアがさらに頬を赤く染め、苦しげにするのを見たグレンは、ルネリアを調べようと顔を覗き込む。するとどんどんルネリアの頬は赤くなり、ルネリアは顔を背ける。