「親戚は、俺にすべては暴漢の仕業であると言った。でも、年を重ね、生きていくうちにだんだんと見えてくるものがある。聞こえてくることがある。だんだんと、意味の分からなかったことが理解できるようになる。そうして何が起きたかも、理解していった。母は、俺も、父も憎み、自らの命を絶つことで父に復讐をしようとしたのだと。母の怒りの正体がようやく分かったとき、俺はただ、納得をした」
グレンは、自嘲気味に、そして自分が話すことで事実を受け入れていくようだった。ルネリアはいてもたってもいられず、広間の中央へと向かっていく。
「母は、父に半ばさらわれるようにこの城に連れ去られた。当然気持ちなんて向けられるはずもないのに、父は癇癪を起し、母を辱め俺を産ませ、最後には血の呪いを与え、殺した。待っていたんだ、母は。父を殺す手段を持つことを。母は元は平民だ。王家でもなしに吸血鬼を殺す手段は得られない。だから、父が自分に呪いを施すことを待って、そして殺したんだ。そんな相手との子供を愛せるわけがない。父だって、俺はしょせん母から愛を向けてもらうための道具でしかなかった。そして道具としての効果を発揮できなかったから、俺は顧みられることがなかった」
ルネリアが、グレンの腕に手を伸ばし、その腕を掴んだ。グレンは振り払うことなく、言葉を続けた。



