グレンはメアロード城と同じ、そして一昨日ルネリアが扉を押し開いたようにしながら旧メアロード城の書庫への扉を開けた。すると今度は今までと全く異なった光景が広がっていった。
二階から、一階に降りていく作りだけはメアロード城と同じだ。しかしそこに、メアロード城で見たような壁一面の本棚は無く、子供の背丈ほどの本棚が並んでいるだけだった。その代わりに、壁には一面に大きくグレンの両親……先代と、夫人が仲睦まじく並ぶ肖像画がかけられている。そしてその左右には、横顔、後ろ姿、正面からの全身や胸までの構図、様々なドレスを着た夫人の肖像画が、びっしりと敷き詰めるようにして掛けられていた。
「これは……」
「この書庫は、先代……父が主に使っていて、立ち入りは家令はおろか使用人も許されず、父以外に許可されていたのはただ一人しかいなかった。俺も、父が亡くなってようやく入ることが出来た」
グレンが、一瞬だけ肖像画に目を向けて、階段を下りていく。「大丈夫か」「気を付けろよ」とルネリアを気にかけながら。



