【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 グレンが、ルネリアを値踏みするようにして見据える。しかしそこにいつもの力強さはなく、寂しげにも見えた。ルネリアはまた胸の痛みにこらえながら、しっかりとグレンの前に立ち、その紅の瞳を見つめた。

「メアロードの廃城に、私を連れて行っては頂けないでしょうか」
「……は?」
「私も、メアロードの廃城に連れて行っていただきたいのです」
「……城に行って、何をする気だ。お前に出来ることなどない」
「はい」

 グレンの言葉を、ルネリアは即座に肯定する。グレンが戸惑うとルネリアは「しかし」と、見返した。

「私は、グレン様を知りたいと思います。グレン様が城に向かわれるという話をした際とてもお辛そうでした。グレン様が自分がなんであるかを私に伝えてくださったときと同じように、悲しそうで、今にも泣きそうで、苦しいのに耐えているような表情をされていました。そんな表情のグレン様を一人にしたくないと、私はそう、勝手に思っています」
「……ルネリア」