もし、そういった歴史に纏わる書籍、そして家についての書籍を書庫に置かれることが常識的行為で、メアロード家の書庫に吸血鬼に纏わる書物が置かれているのなら、グレンがルネリアを近づけさせなかったことにも納得がいく。そう彼女は考え、グレンを知るために書庫で調べることにしたのだ。
ルネリアは、二階の窓からグレンが門を出たのをそっと確認し、書庫へと向かっていった。書庫は玄関ホールの大階段を上がった先に位置しており、丁度彼女やグレンの部屋、風呂場を対角線上に結んだ反対の方向に位置している。扉は大きな両開きのもので、書庫には鍵がついておらず、入ることが出来る。きっと今までルネリアがほかの部屋に興味を示さなかったことで、グレンは鍵を取り付けるよりもそのまま放置しておくほうがいいと考えたのだろう。そうルネリアは判断しつつ、扉に手をかけ、一気に開いた。
目の前に広がったのは、壁一面に広がる本の海であった。壁にはびっしりと棚が備え付けられ、そこには所狭しと本が立てかけられている。書庫は階下にもつながっており、螺旋回廊が中央に鎮座し、四方の隅からそこへと繋がり一階へと降りることが出来るようになっていた。



