「グレン様、お医者様に行きましょうか、酷くお顔の色が悪く感じます。それも、今なお悪くなる一方で……」
「いや、体調が悪いわけではない、自分の不甲斐なさを痛感していただけだ……」
そう言って、グレンはさらに顔色を悪くする。ルネリアがなんと言葉をかけようか悩んでいると、グレンはぼそりと呟いた。
「……俺は、貴女のようになりたいのに……」
「えっ……」
グレンの言葉が理解できず、ルネリアは聞き返す。しかしグレンは俯きがちにルネリアを見て、また俯いた。
「俺は、貴女の役に立ちたいのに……っ。もう日が沈んで、何も出来ない……貴方に与えられない。今日は、貴女に物を贈ろうと、そう思ったのに……」
覇気のない声に、ルネリアの心がずきりと痛む。グレン様は今、どういった理由で、自分に不甲斐なさを感じているんだろう。ルネリアは目の前にいるグレンに想いを馳せる。ルネリアが少し腕を上げれば、その指は簡単にグレンの体へとぶつかる。それほどまでにそばにいるのに、ルネリアにとってグレンは酷く遠くにいるように感じた。
――俺は、貴女のようになりたいのに。
グレンの言葉の意味を、ルネリアは理解できない。



