本来であるならば物事を判断するにあたり、きちんと対象を見定める。しかし今、グレンはキャロラインの言葉にルネリアが傷ついているのだと思いつき、すぐさまその判断の元、行動に出た。
「キャロライン、そろそろ私たちは失礼する。これから買い物があるのでな。葬儀には顔を出してやる。もう会うことはないだろう」
そう言ってグレンは、何の躊躇いもなくルネリアの腕に手を伸ばした。そうしてルネリアの腕を取って、何故もっと早く、ルネリアが傷つくより前に彼女の腕を強引に取っておかなかったのか、引き離さなかったのかとグレンは後悔をする。
一方のルネリアは、突然グレンに腕を取られたことに驚いていた。そして同じように驚きつつも、キャロラインは不満そうな表情を浮かべた。
「何で? 僕ルネリアちゃんのこともっと知りたいんだけど?」
「お前は一生知らなくていい。そして死ね。行くぞルネリア」
「えっグレン様!?」
グレンはルネリアの腕を引いて、キャロラインに背を向けて強引に歩いていく。ルネリアが半ば引きずられるようにしながらキャロラインの方を見ると、残念がっていた声色に反しキャロラインは嬉しそうに口角を上げてルネリアに手を振っていた。
ルネリアはそんなキャロラインに頭を下げながら、ただただグレンに腕をとられ、連れられて行った。
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グレンがルネリアを連れていく足をどんどん加速させ、キャロラインと離れるどころか街の最果て近くまで訪れた頃、グレンはその足を止めルネリアの腕から手を離した。



