グレンがキャロラインを睨み付け、キャロラインはお道化たように笑って見せる。そんな二人をよそにルネリアは一人、じっと地面を見つめていた。
(グレン様が、私のことを尋ねられて、不機嫌に……)
ルネリアはさっきのキャロラインの発言を反芻しては、顔を曇らせる。自身の存在が他者を不機嫌にさせることについては、継母、そして異母姉の態度によって、ルネリアはしっかりと把握をしている。
そしてどうすれば他者を不機嫌にさせずに済むのか、ルネリアはずっと考え続けていた。しかし答えが出ることはなく、毎日自問自答の日々を送っていた。しかし最近はどうだろうと思い返していく。メアロード領に辿り着いてから、そのことについてはあまり考えていなかったと、ルネリアは初めて気が付いた。
すると、そんなルネリアの表情を見たグレンは、キャロラインの言い放った言葉によりルネリアが傷ついたのだと瞬時に判断を下した。
(キャロラインと、ルネリアを引き離そう)
グレンは人より結論を出す速度は速いものであった。しかし、それは決して本能的に、思考を放棄するものではなく、物事を順序立てきちんと取捨選択をした上での速さであった。



