どうしたら思い出してくれるかな……。

「龍牙?話聞いてる?」

我に返ると、紅魅が不思議そうに俺を見ていた。

あ……。

俺らしくねぇな、こんなの。

「ごめん。なんだっけ?」

「先にお風呂入ればって言ってたの。その間にオムライス作るから」

そゆことね。

「じゃ、そうする」

俺は紅魅の頭を撫でてから、ロフトを降りて洗面所に向かった。