「ねぇ紅魅、ありがとう。助けに来てくれて嬉しかった」

「でも、なんでプールにいるって咄嗟にわかったんだ?」

あぁ、そのことね。

言っていいのかな……まぁ、いっかな。

「私ね……中一の時、レイプされたんだ」

「え……」

ぎゅ、と龍牙の首に巻き付いてた腕に力を込めた。 

「その時ね……ずっと仲良かった友達がいたんだけど、その友達が片想いしてる人が私のことを好きだったみたいでさ……」

「ま、まさか、告白されたの!?」

「そう。だけど私は断った。でも、その友達からしたら面白くなかったみたいで。まだ弱かった私はまんまと暴走族に売られた」

「紅魅……」