「迷ってるんだよ。お金を送って今のところで生活してもらうか、来てもらうか」

……そう、なのか。

紅魅は、ひとりが嫌な寂しがりやだ。

……あ。

「あの、お願いがあります」

「どうした?改まって」

俺は鞄を床に捨てて、土下座した。

「紅魅を、ここに置いてください」

「龍牙……」

「まぁ……」

父さんも母さんも、俺が土下座したことに驚いてる。

でも、それどこじゃない。

会えるかもしれない、チャンスなんだ。

「俺、紅魅と約束したんです。大きくなったら迎えに行くって。本当のお嫁さんにするって。でも、居場所もわかんなくて会えないままで……」