『ありがとう……紅魅』

どこからか、お母さんの声が聞こえた。

慌てて振り向くも、そこにはお墓しかなくて。

……幻聴?

「紅魅、お前置いてくぞ」

「あっ、ごめん!」

私は軽い足取りで、龍牙のところに向かった。

また来年来るね、ふたりとも。

そう、告げながら。