「わかってる」

それから掃除を終えて、お供え物を置いた。

みんなで手を合わせて、目をつぶる。

……お母さん、お姉ちゃん。

私ね……本当は今でも、ふたりの死を受け入れられないんだよ。

まだ、生きてるような感じがして……でも、ふたりはいなくて……。

私……ふたりに、生きてて欲しかった。

龍牙にも、会わせたかった。

ちゃんと、再会できたんだよ……。

意地悪でちょっとクールだけど、いつもいつもそばにいてくれて。

王子様みたいな、ヒーローみたいな人。

ふたりにも、会わせたかったな……。

頭に浮かぶのは、ふたりの笑顔。