っ……。

「俺が抱き締めててやるから、泣けよ」

「……っ」

私は龍牙の方に身体を向けた。

すると、龍牙の指が涙を拭ってきた。

「……弱音、吐き出せよ。俺がそばにいるんだから、我慢なんかしなくていい」

龍牙……。

「紅魅は、たまに吐き出しとかないとダメだからな……」

「っ……ふぇ……うぅ……っ」

また涙が流れてきて、龍牙の胸に額をつけた。

「毎年……っ、この時期になると怖いの……」

「え……?」

「大切な人、いなくなっちゃいそうで……っ怖くって……っ」