なんでかな。

この子には、私と同じようになってほしくない。

こんな、冷酷人間を偽る羽目にならないでほしい。

私だって、嫌なんだ。

こんなの、疲れるし。

だけど、人間とは関わりたくないから。

晴夏は目を見開くと、ふにゃっと笑った。

「ありがとう……っ」

薔薇姫。

薔薇は美しいけど、棘があるから誰も触ってはこない。

だから、私を助けてくれる人はいない。

……でも、晴夏は大丈夫。

きっと、アイツらが助けてくれるから。

「やっぱり、紅魅優しい!」