私はそっと、男の人を見上げた。

だって……。

「こんな……こんなかっこいい王子様みたいな人が、私の彼氏だなんて……」

「っ……」

(((((記憶はなくても、天然は健在……)))))


みんな。

「それに私は、ずっとずっと龍牙を待ってるの……。いつか、迎えに来てくれる……」

「……俺が、その龍牙だよ」

……え?

「一条龍牙。紅魅とは互いの両親がたまたま本社に異動することになって、小学校に上がる前に離ればなれになったんだよ」

そっと、肩に手を置かれた。

「それで、大きくなったら俺が迎えに行くって約束した。そしたら、本当の本当にお嫁さんにしてやるって」