私がそう言うと、晴夏は涙を流した。

「私ね……海、本当は苦手だった」

「え……?」

少し目を見開いた晴夏。

「とゆーより、水が苦手で。トラウマなんだよね、手を差し伸べても、誰も握ってくれる人がいないって思ってて……」

「紅魅……」

「だから、晴夏が手を握ってくれて嬉しかったんだ。そのおかげで、トラウマ克服できたんだよ」

「っ……」

晴夏がいなかったら、私は友達なんていないし心も開いてない。

「私、晴夏のこと大好きなんだよ。だから、離れたりなんてしない。離れたくないもん」

「うぅ……紅魅ぃ~……っ」

ごしごしと涙を拭う晴夏。