◇紅魅said◇

「あー……あっちー……」

夏休み最後の日、明日の始業式の支度をしてると龍牙がお風呂から上がってきた。

「紅魅、もう支度してんの?」

「うん。忘れ物あったら嫌だし」

「真面目だな……俺らなんて、鞄の中勉強道具入ってねーもん」

それはどうかと思うけど……。

鞄をクローゼットにしまって、あくびをした。

「もう寝る?」

「んー……まだ、起きてたい」

「いつも寝たがるのに、めずらしいな」

私をベッドに促した龍牙。

「だって、明日から学校始まっちゃうし。そしたら龍牙とあんまり……」