本当は紅魅を犯した奴ら、全員殺したい。

でも……そんな時間があったら、俺は紅魅のそばにいたい。

「紅魅、ありがとう。これ、大事にする」

俺はもらった貝殻をポケットに入れた。

「龍牙……」

クイクイっ、と俺の袖を引っ張った紅魅。

……? 

「しゃがんで、目つぶって……っ」

……そーいうことか。

俺からしてやってもいいけど、おとなしく言うこと聞こ。

そう思い、俺は内心にやけそうになるのをこらえながらもしゃがみ、目をつぶった。

ちゅ、と重なった唇。

ゆっくり離れて目を開けると、顔を赤くする紅魅がいた。