「昔、1回だけ龍牙と海に来たよね。そのときにあげた貝殻、特別だったから……」

「紅魅……」

「これ、特別だから……大好きな、龍牙にあげるっ」

っ……!

『ねー龍牙!見てこれ!』

幼い紅魅は、俺と砂の城を作ってる途中大きくて綺麗な貝殻を拾った。

『おー!よく見つけたな!』

『でしょっ?これ、特別な貝殻なんだよ!』

紅魅そう言うと、俺の手に貝殻を置いた。

そして、天使のような笑顔で……、

『これ、特別だから……大好きな龍牙にあげるっ』

と、同じ言葉をくれた。

「……覚えて、くれたのか?」