手を引っ張られ、海の方に歩かされる。

海とはいえ水に入るなんて……あの時ぶり。

あの時は、手を差し伸べても誰も助けてくれなくて。

でも今は……。

「ほら!海、冷たくて気持ちーよ」

そう言って手を握っててくれる、親友が、晴夏がいる。

「うん……!気持ちいい!」

だからかな、こんなに笑顔になれるのは。

「あ!見てよ紅魅!貝殻あるよー!」

「本当だ!」

ふたりでしゃがんで、貝殻を探す。

「あ……この貝殻」

ひとつの、綺麗な貝殻を見つけた。

それは、色鮮やかで淡い虹色で。