◇紅魅said◇

海の家に行くと、先に来ていた黒狼のみんなはたくさん注文してた。

「いらっしゃいませー!……って、え?」

店員の声がしてそっちを見ると、私もその人も目を見開いた。

「花蓮……」

「く、紅魅りん……」

どうしよう、身体が固まる。

「紅魅?知り合いか?」

私の異変に気づいたのか、ご飯を食べてたみんなも私を見た。

「あなた、紅魅と知り合いなの?」

晴夏が花蓮に聞いた。

「あ……まぁ。紅魅の昔の友達……かな」

「友達……ね。笑わせないでよ。あれだけのことしておいて……」