あ……この匂い。

上を見上げると、龍牙がいて。

「お前、おせぇぞ?」

と、呆れながら言われた。

ズキュン……っ。

だ、ダメだ……嫌でもときめいてしまう。

「ご、ごめんね。砂で慣れなくて……」

「まぁ、ケガしなくてよかったけど」

「おふたりさーん、いつまで抱き合ってんだよ~?」

楽斗の声で我に返ると、顔を真っ赤にしてる黒狼のみんなと呆れる楽斗と優、心配そうに見つめる晴夏。

そして……。

「「だ、誰よその女!」」

さっきまで龍牙を囲んでた女の子達が、顔を青くしながら言ってきた。