あの日……私にとっても龍牙にとっても、初めてのキスで。

少なくとも、貴重なものだった。

「……止めるなら、今のうちだぞ?」

お茶をそばにあったテーブルに置いて、私の肩に手を置いた龍牙。

その瞳には熱が込められてて。

「好き、だから……愛し合いたい……っ」

「……もー無理」

「ん……っ」

龍牙は私にキスをすると、そのまま押し倒した。

「紅魅……愛してる」

「んっ……わ、たしもっ……」

何度か触れるだけのキスをしたあと、深いキスをされた。

それは、今までしたどのキスよりも甘くて優しくて。