紅魅は冷酷とかけ離れた性格なはず。

優しいし天真爛漫だし、なにより感情豊か。

今みたいな無表情は、なにか理由があるのかもしれない。

それに……眼帯なんて、してなかった。

……。

俺はスマホを出して、優たちとのグループLINEを開いた。

龍牙:【決めた。紅魅を姫にする】

そう送信すると、全員が既読をつけた。

優:【りょーかい】

楽斗:【楽しくなるね~】

晴夏:【ホームルーム終わったら、誘お!】

やっぱ、こいつらは理解力がある。

紅魅は、俺のことを忘れてる。

でも、さっき名前を言った時なにかに勘づいていた。