「再会してからも、昔と変わらない姿を見るたび胸が痛くて……。でも、今さら思い出しても恋愛対象として見られないんじゃないかって……怖くて」

苦痛に顔を歪めながら、下唇を噛む龍牙。

その姿に、さらに胸が痛くなった。

「約束が絶対じゃないってこともわかってるし、10年前のことなんて誰でも覚えてるわけじゃないって言い聞かせてた……。俺は、変なとこ意気地無しだから、さらに恋愛対象として見られなくなるの嫌で。あのキスも、カウントされないんじゃないかって」

龍牙……っ。

「ご、めんなさい……っ。約束、も、キスもなにもかも忘れて……っごめんなさい」

そっか……最初から、待っててくれたんだ。

私が、思い出すのを。

「やっと、思い出してくれた……」

っ……。