不思議に思って見上げると、熱のこもった瞳で見られて。

その熱い瞳に、目をそらせなかった。

「……紅魅、キスしてもいい?」

「え……」

思わず身体が固まるのがわかった。

でも、それを安心させるように抱き締める腕に力を入れられる。

「大丈夫。俺は、紅魅のこと身体目当てじゃねぇから。……愛してるんだ」

「……私、ね……あの日、レイプされた日以来男の人とこういうことしたことないの。怖くてできなくて……。避けてたし、近づいてきたらみんな倒してたから」

「紅魅……俺で、上書きさせて。キスとかそういう行為が怖いものじゃないって、教えさせて」

龍牙……。