狼総長は薔薇姫に求愛&溺愛中

男の子は、生まれつき茶髪で、よく笑う子。

そう、龍牙と同じ……。

その時ふと、ジャージが目に入った。

あ……。

「龍牙、ごめんね……っ」

「は……?なんで泣くんだよ」

「だ、って……龍牙のジャージ、汚しちゃった……っ。それに、私のせいで障害物競走も出れなくなっちゃった……っ」

ぎゅっと龍牙のジャージを抱き締めると、龍牙が眼帯を外してきた。

そして、優しく涙を拭ってくれた。

「謝んなよ。これのおかげで、軽傷で済んだんだぞ?それに、俺障害物競走一番最後だしな。出番あと10分後だし」

え……。

龍牙は私の脛も手当てしてくれると、ぎゅうっと抱き締めてくれた。