ハヤテと付き合って1年がたとうとしていた。

手を初めて繋いでから半年、その間にハグ、キスまでした。

慣れていくかもと考えてはいたがそんなことは全くなかった。

手を繋いだら念入りに手を洗うというのは相変わらずで、ハグをしたらその日着ていた服は処分、キスをしたら歯ぐきから血が出るくらいまで歯を磨いた。

どうして私はこんな思いをしながら恋愛をしないといけないんだろう、ある時私は思った。

そもそもこんなに男の人に触られるのが嫌な原因って何だろう。

世の中には男の人に触られるのが嫌な人はいる。そういう人は大抵過去に何らかの男性に対するトラウマというものがある。

でも私には思い当たる節が無かった。前世に何かされたのかな。

まだこれから慣れるかも、そんな期待をしながら今日はもうベッドに入った。

翌朝、スマホを見てみると1件の通知。ハヤテからだった。

≫ねぇ、俺らもう1年たつじゃんね。そろそろしない…?

そう来ていた。しない?というのはご想像にお任せするが、そういうことである。

朝からこんな話ホントに嫌だ。

私は低血圧という事もあって朝は本当に機嫌が悪い。それに加えてこのメール。

史上最強にと言っても過言ではないくらいにイライラしていた。

≫嫌だ。

それだけ打って送信した。本当に気持ち悪い。まだ中学生だよ?ありえない。

そんなことを思いながらそうこうしているうちにスマホが鳴った。

≫なんで?キスまではしてよくてなんでダメなの?

本当にイラつく。朝から元気だね。

≫本当はキスだっていやだよ。ハグも手を繋ぐのも。

あまりのイライラについ送ってしまった。そしてすぐに後悔した。

そしてすぐになるスマホ。

≫死ね。

それだけ書いてあった。

≫わかったわかった。ばいばい。

もうどうにでもなれと思った。本心じゃなくても、死ねって言ってきた人ともう一緒に居たくない。

≫お前、俺の事嫌いなんだな。

はい、始まった。振られるときのお決まりパターン。

でも今回は振られたとしてもなんも悲しくない。

≫うるさい。性欲鬼。

そう送ってブロックした。普通のカップルだったら、こういった誘いに乗るのだろうか。私がおかしいのか。ハヤテがおかしいのか。人に相談することが苦手な私は他人と比べることが出来ず、恋愛の基準というものがわからなかった。

こうして今回も前回と同じように終わっていった。