加藤くんの歌はものすごく上手だった。
終盤のサビに至るまで目だったミスはなくテンポも合っていた。どうして他の人の合いの手を入れるときはテンポがずれるのに自分のときは合っているのだろう。そんな疑問が芽生えるほど素晴らしい歌だった。
加藤くんが歌い終え、待ちきれないといった様子でカラオケの画面を見る。点数はすぐに出た。
九十二点。
「はぁ?」
納得いかないといったふうに声を発した。
「どうして九十二点なんだよ? どう考えても本田より上手かっただろ」
「あーうん、上手いのは上手いんだけどさ」
菊池さんが笑いを噛み殺しながら応えた。
「この曲って簡単に歌えそうで結構細かいところで歌唱力が試されたりするのよね。だからその分思ったほど点数が伸びないというか」
彼女はうんうんとうなずいて付け加えた。
「強いて言えば選曲ミス?」
「オーマイガッ!」
頭を抱えながら加藤くんが天を仰いだ。
「……」
わぁ。
オーマイガッなんて言う人初めて見た。
終盤のサビに至るまで目だったミスはなくテンポも合っていた。どうして他の人の合いの手を入れるときはテンポがずれるのに自分のときは合っているのだろう。そんな疑問が芽生えるほど素晴らしい歌だった。
加藤くんが歌い終え、待ちきれないといった様子でカラオケの画面を見る。点数はすぐに出た。
九十二点。
「はぁ?」
納得いかないといったふうに声を発した。
「どうして九十二点なんだよ? どう考えても本田より上手かっただろ」
「あーうん、上手いのは上手いんだけどさ」
菊池さんが笑いを噛み殺しながら応えた。
「この曲って簡単に歌えそうで結構細かいところで歌唱力が試されたりするのよね。だからその分思ったほど点数が伸びないというか」
彼女はうんうんとうなずいて付け加えた。
「強いて言えば選曲ミス?」
「オーマイガッ!」
頭を抱えながら加藤くんが天を仰いだ。
「……」
わぁ。
オーマイガッなんて言う人初めて見た。

