好きだった同級生に告白された

 本田くんが手早くリモコンを操作して立ち上がる。

 私は戸惑いながらも手を引っぱられるままにステージに昇った。やや強引なその態度にびっくりしつつも繋がれた彼の手の暖かさに心音が加速していく。

 とくとくとくとくと高鳴る胸の鼓動は彼に聞かれているだろうか。

 肩が触れそうなほどの近さで並ぶとさらに心音が激しくなった。ここにきてアルコールが回ってきたのかと疑いたくなるくらい顔が熱い。

 スポットライトの下の本田くんがいつもの三割増しで格好良く見えて私は目眩を覚えた。

 ムーディーな曲が流れ始め、本田くんの腕が私の腰に回される。

 曲は私の知っているものだった。高校生のときの流行歌だ。歌詞を見なくても自然と歌えた。

 でも意識の大半は傍にいる本田くんに向かっていて、ちゃんとデュエットになっていたかどうかは疑わしい。