「そこで──僕で良ければ、治すお手伝いをしましょうか?」

「えっ……?」



パッと顔を上げ、目を丸くする。



「いいんですか?」

「はいもちろん。雨村さん、うちの病院に何回か診察に来てますよね? 血液検査だけが悪くて気にしていると聞いたので、力になれたらと……」



うわっ、通院しているのも知ってたんだ。

Fランクと診断された中3から、実は何度かお世話になっている。

同じ学校だから話が回ってくるのかな。
だとしたらここまで詳しいのも納得だ。



「すごくありがたいです。けど……忙しい中、時間を割いてもらうのは申し訳ないです」



本当はお願いしたい。

あれこれ試行錯誤しながら自分で治すよりかは、知識がある人の力を借りたほうが早く治るだろうから。

そしてなにより、失敗も少ないと思う。


だけど、3年生は進路決めやら勉強やらで忙しい。
それに診察するならお金がかかるかもしれないし。