──先週の日曜日。
沢村先輩の策略により、突然翼と再会してしまった風花は、トラウマに襲われて精神的に不安定になってしまった。
俺の目を見ると、当時の翼を思い出してしまうようで、先週からドア越しに吸血を行っている。
風花が落ち着くまで、休日と放課後だけにしているのだが……。
毎回手の甲が震えてて、恐怖心を抑えて差し出しているのかと思うと、心底申し訳なくなり、最近は数秒で済ませるようにしている。
サプリもあるし、時々千冬からも飲ませてもらっているから体調は平気。
でも、風花に会えなくなってしまったことがショックで、日に日に飲む量は減少していくばかり。
はぁ……一目だけでもいいから顔が見たい。
────
──
「はいよ。好きなだけ飲め」
「ん。それじゃいただきます」
昼休み。
毎日風花に吸血していた場所で、千冬に血を分けてもらった。
「……ごちそうさま」
「もういいの? もう少し飲んだほうがいいんじゃない?」
「いや、もうお腹いっぱいだから。さっき弁当食べたし」



