「ねぇ鳥越くん、夜城くんのクラスのお店には行った?」

「行ったよ。さっき潤にパン売ってきた。大繁盛してたよ」

「マジで⁉ 行列できてたの?」

「うん。潤を目の保養にしてる人が多くて、中庭の入口付近までズラーッと並んでた。もう女子達がキャッキャしてたよ」

「そっかぁ。夜城くん美少年だもんね」



モグモグとパンを噛みながら会話に耳を傾ける。


目の保養かぁ……。

一目見たい気持ちはわかる。

けど、客寄せパンダみたいな存在になっているのは悲しい。というか、怒りが湧いてくる。

真面目な潤くんからしてみたら、あまりいい気分はしていないはずだ。


「潤くんは見せ物じゃない!」と言いたかったけど、パンを噛みちぎったタイミングで2人が話し始めたもんだから、口を開けず。

黙ったまま続きを聞くことに。



「まぁ、ポスター効果と店がケーキ屋ってのもあるから、全員が潤目当てってわけじゃないけど、本当気の毒だった。頑張って笑顔で対応してたけど、ものすごく疲れててさ。イケメンも大変だなって思ったよ」