【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる

言葉の意味を理解し、瞬時に胸元を両手で押さえた。



「し、したいの? ここに」

「……うん」

「…………わかった。いいよ」



聞こえたかわからないくらいの小さな声で呟き、ブラウスのボタンを外す。

言い出した本人は目をまん丸にして固まっている。


さっきの威勢はどこに行ったんだ。



「えっ、ええっ⁉ いいの⁉」

「うん。しばらく会えなくなるし」



進学が決まり、春からひとり暮らしを始めるため、今月引っ越すことになっている。


GWに会えたらいいなとは思うけど、バイトするから休みが取れるかが問題。

もし会えなかったら……次は夏休みかな。


今日で会うのも最後だし、お互いに欲を消化したほうがスッキリするかなと思ったので勇気を出した。



「じゃあ……遠慮なく」

「わっ……」



露になった鎖骨に唇が落ちてきた。

首に髪の毛が当たってくすぐったい。


身をよじると、逃がさないと言わんばかりに背中に手が回され──後ろに倒れ込んだ。


熱を帯びた唇が、鎖骨から首、耳へと上がっていく。

吐息が耳にかかって、またくすぐったい感覚に襲われ、再び身をよじる。

と──。