外に出たら晴れていた。


「虹きれ~。」


「うわー、ほんとだー。」


と優くんは言ってるけど棒読み。

本当に思ってるのかな~って思う。


「ほんとに思っとる?」


「思っとる思っとる。」


って優くんは言うから信じてみようと思う。


「何かある時があるかもしれんから連絡先交換しとこ?」


「いいよ。」


と優くんと連絡先を交換した。


「困ったときは連絡してね。俺、唯愛の味方だから。」


と優くんは薄く笑う。

ドキッ、と心臓が音を立てたのはあえて気づかないフリ。


「あ……えっと、送らせていただきます……」


「ふっ……敬語じゃん。」


「つい、癖で。」


「敬語が癖になることってある?」


「あるんです~!」


と言ったらからかうように笑ってきた…

酷いなぁ。


「てかさ、唯愛ってまだ1回も名前呼んでないよね?」


「そういえば確かに。」


心の中で言ってるけどね、とは言わず。


「早く呼んで~。」


「分かった。……優くん。」


心の中では言えたけど、口にすると難しい……

私が呼んだら何故か優くんは黙った。

どうしたんだろう?