「……おー、来たんだ。」


間があったのは気にしないでおこう。


「……うん、頑張った。」


「良かったじゃん。……アレのこと気にしないで。」


アレ……とはたぶん告白だろう。


「うん。」


「たぶん海新の人と上手くいっただろうし。」


……えっ、何で知ってるの。


「学校に来たから。」


七瀬と上手くいったから、背中を押してもらったからだと言う。

何で分かったんだろう。


「……待っててくれてありがとう。」


これだけは言わなきゃいけないから。


「いいえ。」


本当にいなかったら学校に行ってないと思う。

それくらい大きな存在。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

きっとそれだけじゃ足りない。

ほんと、感謝してる。

私の周りに優しい人しかいない。

……だからこそ、少し辛くなる。

私がその優しさをもらっちゃっていいのか、とか。

私のせいで優しさが消えるんじゃないか、とか。

……もっと他の人にあげるべきなのに。

幸せってあとから辛くなるんだよ。

分からないかもしれないけど。