はっきりと言い切る。
でも、きっと先輩はこれで納得しないだろうな……
「はぁ!?んなわけないでしょ!近くにいて、好きにならない方がおかしいわ!嘘ついてんじゃないわよ!!」
「嘘じゃないですよ?」
「ほんと、ムカつく!輝楽先輩と一緒にいて、しかも太陽君までたぶらかしてるなんて……あんたなんて、少しくらい痛い目みればいいのよ」
トンって音がした後、私の体は宙に浮いた。
落ちる……怖かったけど、そう思って覚悟を決めて目をつぶると、
「伊鳥!」
何かに包まれた気がした。
痛みがやってこないから、そっと目を開けると……
「太陽君?」
肩で息をしてる太陽君がいた。
私を助けてくれたんだ……
「た、太陽君」
「何してるんですか、先輩」
すごく怒ってるみたいで、声が低い。
「え、えっと、それは……」
「言い訳は聞きたくないですから。もう2度とこんなくだらないことしないでくださいよ」
「……っ、分かったわよ」
先輩が立ち去っていって、ホッと一息つく。
太陽君にお礼を言わなきゃ……
「太陽君、ありがとう」
「どういたしまして。っていうか、俺達のせいだし、お礼なんかいらないからな。ごめん、伊鳥」



